っちが正しいのか?
安倍首相と野田元首相の論戦。

実質賃金と名目賃金の関係

2月19日の予算委員会で、安倍総理と元総理の野田さんが、
定数削減の問題で「対決」するというので、興味を持って
テレビを見た。
個人的にも、野田元首相は、わかりやすい論客で好きな政治家なので、
2人の対決を楽しみにして見た。

「論戦」は、簡単に言えば、おもしろかったのだが、これは安倍首相の
作戦勝ちとも言える対応であった。

と言うのは、すでに、野田質問の情報が安倍総理側に入って
いたので、先手を打って、午前中質疑で、
10減を5年前倒して15年の
簡易国勢調査の結果に基づいて行う方針」を示した後になってしまった。」

だから、結果としては定数削減問題は、「空振り」になってしまったのだが、
ともかくも、野田登場によって最低限の定数削減は実行段階に入ることになった。


別件で、興味深く思った論点・・・・実質賃金の比較の条件

別件で、興味深く思ったのは、「名目賃金」と「実質賃金」との関係を説明をした安倍総理の
答弁だった。

野田元首相が、民主党時代の「実質賃金」が、現在の安倍自民党時代の「実質賃金」よりも高い」と
主張したのに対して、安倍首相が以下のように反論したことだ。

「民主党政権の時は、デフレだから、実質賃金が、名目賃金よりも高くなったのだ。
安倍政権になって、デフレから脱却できたから、名目賃金が実質賃金よりも高くなると
いう正常な状態になたのだ。」と。

つまり、「デフレ下の実質賃金とデフレ脱却後の実質賃金は、前提が違うのだから比較しても意味が
無いのだ」と主張したことだ


前提が違うので、話は全くかみ合わなかったのだが、安倍首相の説明を興味深く聞いたのだ。

つまり、「デフレだと、実質賃金が名目賃金よりも高くなり、デフレでない時、もしくは、(インフレの時は、)
名目賃金が実質賃金よりも高くなる」というのは、経済学的に正しいのか、どうかと言うことだ。

もし、安倍首相の言うとおりだとすれば、野田元首相が示した事例は、土台からかみ合っていないことになり、
別な角度からの追求が必要になるだろうと思ったのだ。

野田元総理だって、そのくらいの経済学の知識があるはずだから、
「デフレだと、実質賃金が名目賃金よりも高くなり、デフレでない時、もしくは、(インフレの時は、)
名目賃金が実質賃金よりも高くなる」という安倍総理の説明そのものを反論しなければならないのだが、
その点が、論戦の中では無かったことが残念だった。