第2の「西山事件」にさせてはいけない。 加計問題と前次官の「出会い系バー」問題 |
安倍首相の「腹心の友」と加計学園問題。
安倍首相の30年来の親友と言われる理事長の加計加計学園。
その獣医医学部新設に、安倍首相の周辺が動いたのではないか、
という疑惑が生じている。
この問題で、その証拠となるメールまで出てきたというのだ。
この問題の肝心な論点は、「加計学園の獣医学部新設に総理の意向が働いたかどうか、
ということだ。
側近の働きかけがあったかどうか」。つまり、文科省内で回されたメールが事実かどうか、
と言うことだ。
ところが、元次官が、それを見たことがあると述べ、「存在」を認めたのだ。
そんな中、突如として出た文科省次官の「在職中に出会い系バー通い」問題。
「やっぱりこんな展開になるのか」というのが、率直な感想。
結論は、「第2の西山事件にしてはならない!」と言うことだ。
見苦しい官邸周辺の発言。
官邸の関与が疑われる先の文書存在を文部科学省の元次官がその文書の存在を
認めたことによる政府関係者の反応は、見苦しい。
その最たるものが、元文部科学省次官の「在職中に出会い系バー通い」問題だ。
さっそく、管官房長官をはじめ、義家などというチンピラかやくざのような目つきをした
文部科学副大臣が「守秘義務違反」などと言って攻撃する始末。
ピント外れも良いところだ。問題はそこにはない。
ここ思い出すのは、沖縄秘密協定を突き止めた「西山事件」
西山事件とは、沖縄返還協定時の「密約」を、女性がらみで機密情報を漏洩(ろうえい)したと
して、毎日新聞社の西山記者が国家公務員法違反で有罪となった事件だ。
「沖縄密約事件」や「外務省機密漏洩事件」などとも呼ばれている。
西山記者に対し、事件とは本質的に関係のない「女性問題」を作り上げた。
第3次佐藤内閣のとき、日米間で沖縄返還協定が締結されたが、その際、米国政府が
地権者に支払う土地現状復旧費用の400万ドル(約12億円)を日本政府が米国政府に
秘密裏に支払うという「密約」が存在することがばれてしまったのだ。
そうした密約が存在することを野党から追及された政権側は、今回と同じような対応を
したのだ。このとき、マスコミも利用された。
曰く「西山記者は女性事務官に酒を飲ませて泥酔させ、半ば強制的に肉体関係を持った上で、
外務省の極秘電文のコピーを盗み出させた」と。
こうした「印象操作」を大々的に展開し西山記者に対する印象を悪くしてイメージを下げ、
焦点が肝心要の「密約問題」からそらされてしまったのだ。
しかし、密約が実際に存在したことは、40年近く経過した後、明らかになった。
今回も「西山事件」と同じ扱いにしようとも「くろんで」いる。
文科省の前川元事務次官が次官時代に「出会い系バー」に出入りしていたという。
本人も認めているから事実はそうなのだろう。
しかし、この「個人問題」と「加計問題」とは別問題だ。
管官房長官の発言を聞けば、発言の意図は明らかだ。
「西山事件」のときのように、前川元次官が「出会い系バー」に通っていたから、
「彼の言うことは全てウソだ」というイメージを作ろうとしている。
その他に関しても、元事務次官に対する攻撃はすごい。
しかし、問題はそんなところにはない。
「安倍総理サイドから(官邸が)、首相の意向を伝える文書が文科省内に流れたかどうか」
、その事実の解明が中心問題だ。