教科書会社からの「間接的働きかけ(?)」の思い出

「教科書謝礼」記事を読んで思いだしたこと。

教科書会社から渡された「謝礼」が、ニュースになっています。

教科書会社からの校長への謝礼問題が、報道されてから
かなり時間が経ちました。
ところが、謝礼を受け取った人が、校長だけではなく、ヒラ教員にも
いたとのことです。

教科書会社名も、東京書籍・三省堂・教育出版・啓林館、
その他。そして驚いたことに数研まで。

謝礼を受け取った教員は、北海道が489人で一番多い。
県によっては、教育長や教育委員にもお歳暮やお中元が渡されたという。

さて、北海道教育委員会は、どんな結末をつけるのか。注目したい。

個人的体験を話したい。

学校外で1度だけですが、教科書会社との怪しい関係がありそうな教師と
出会った体験がありますので、その話をします。

北海道には、「理科センター」という理科教員の実験の研修の施設があります。
物理の研修講座があった時、道南の(学校名は省略)ある高校の物理の教師が、
私に近づいてきて、こう言いました。

「実は、○○ホテルにある教科書会社の人が来て懇談会を持ちたいので参加して
欲しいと言っている。どうですか、参加してくれませんか。」と言った後で、
「一席設けてあるが、費用は、業者に持たせるから」というものでした。
その際、その教師が左目をちょっとつぶってそう言いました。
もちろん断りましたが。

ところが、午前中の研修が終わった直後、教壇に進み出て、私に言ったことと
同じ内容の説明をして、「懇親会」への参加を呼びかけていました。
そのとき、指導教官の顔を見ましたら、不快な顔をしていたのが記憶にあります。

研修から帰ってから、職員録で研修の参加者名簿の突き合わせをして、
その人の名前と学校名を確認しました。
その時の教師の名前はもう忘れました。そもそも、生きているかどうかもわかりません。
また、その「懇親会」に何名参加したのかは、わかりません。

「酒飲み」には、卑しい人が多いから、「タダ酒」と聞けば、酒につられて足を運んだ教員も
いたかも知れないと思っていますが、実際の所は知りません。


ついでに、「教科書採択」のやり方について、少々述べておきます。

使用教科書決定の仕組みについて触れます。

今回の問題は、小中学校の教科書問題です

というのは、小中学校の教科書は、各市区町村のうちの複数の地区が一緒になって
「共同採択地区」を作り、そこで、使用教科書を採択する(決める)仕組みになっています。

現在、全国に580(2014年)の採択地区があるそうですが、大都市など単独の「採択地区」を
作っているところが約半数あると言います。

今回の教科書謝礼問題は教科書の利用数の多い都市部に集中していると言われています。
北海道の489人は、おそらく、札幌・旭川・函館などに集中しているのではないかと勝手に
想像しています。

高校の場合の教科書の決め方
まず、高校の教科書の採択の方法を述べますが、小中学校の場合とは違っています。
高校の場合は、生徒の使う教科書は、担当教科、担当科目の教師が決めます。
英語であれば、英語の教師。物理であれば、物理の教師。化学は化学の教師が決めます。
同じ理科の教科でも科目が違えば、決める人が違います。複数居る学校の場合は、
話し合って決めます。
しかし、小規模校の場合は、1人で複数科目を担当しますので、1人で複数教科・科目の
教科書を決めます。
しかし、教科書会社の営業マンが金品に類する物を学校に持ってきた等の話を一度も
聞いたことも目撃した事もありません。これは、大規模校、小規模校を含めてです。