「君(クン)」にも違和感が・・・

学校は、呼び捨てや「クン」付けは馴染まない。

先に職場での上司・先輩からの呼び捨てについての「違和感」について書きました。
これは、あくまで、個人的感想・印象でしかりませんが、そう感じる原因は、私が
長らく居た「学校という職場環境」によるものかも知れません。

学校では、年配の教員や校長、教頭も新卒の教員に対して「先生」と呼んでいたからです。
もちろん新卒の教員は、先輩管理職に対しても、同じく「先生」と読んでいました。
管理職に対しては、「校長先生・教頭先生」と読んでいました。

ある時、ある校長が、ぼやきのような言い方で次のようなことを言っていたことがありました。

「学校という所は、成り立ての教員に対してでも、せんせいと呼ぶ習慣があるから、新卒の教員が、
俺は先生だと一人前の気になるのだ」と。

言うまでもなく、学校は、生徒のために存在し、生徒の目線で、考えるからだと思いますが、
新卒であろうが、ベテランであろうが、生徒から見たら、等しく「先生」なのです。
だから、生徒の前で、呼び捨てや「クン」は、馴染まないのです。

しかも、大事なのは、職員会の時の扱いです。
新卒であろうと、いわゆるベテランであろうと、自分の意見をのべ、先輩と違った意見を述べても
特別おかしな事ではない。そのことで、批判されることはない。
もちろん、校長に対して会議の席で、異議を挟んでも、そのこと自体が、批判の対象ではない。
もっと言えば、職員会議の場で、お互い正しいと思うことを述べ合い、全体の合意の上で、
物事が決まっていくというシステムなのだ。
意見がまとまらない場合は、校長に決裁を仰ぐという形を取るが、校長が何かを指示して
全員が、それに無条件に従うなど言うのは、少なくとも、私が知っている学校ではなかった。
そう言う意味では、頭が腐っても、すぐに、身体が腐るという「行政」とは、基本的に違うようだ。


私を一度だけ「クン」付けで呼んだ校長・

校長に「呼び捨て」されて、烈火のごとく怒った同僚。


私は、校長に一度だけ、「吉岡クン」と、呼ばれたことがありました。思いがけない
呼ばれ方だったせいか、一瞬、「うん?」という感じで、まじまじと顔を見たせいか、
「吉岡クン」は、その時一度だけで終わりました。

その校長、私との会話の中で、他の同僚の名前を呼ぶときに、「○○クンは・・」と言っていたことが
ありましたが、それは数度だけでした。
威張るような校長ではなかったのですが、ちょっと、カッコウつけたかったのかも知れません。

ある同僚が、かんかんに怒って、怒りをぶち上げていたことがありました。
何でもPTAの酒席の時、保護者の前で、ある校長がある教員に「○○、わかったか(?)」と言ったのだったか、
「○○、やれよな」と言ったのだったか、忘れたのですが、「呼び捨て」にしたことがありました。

その後、その同僚は、カンカンに怒って「何であんなヤツに呼び捨てされなければならないのか」と
言ってました。
全く、もっともな話なので、「そうだ、そうだ」と他の同僚ともども聞いていたことがありました。

たまたま、威張りたい人が校長を希望したのか、校長になったら、急に威張りたくなるのか、わからないが、
いずれにせよ、学校という所は、同僚を「呼び捨て」にしたり「クンづけ」は、馴染まない職場なのだ。
御法度と言うべきだろう。
下の者や後輩を「クンづけ」にしたり「呼び捨て」にしたい人は、他の職種に移ればいいのです。